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月経研究会

松本清一先生の米寿記念として出版された「月経らくらく講座-もっと上手に付き合い、素敵に生きるために」

「月経らくらく講座-もっと上手に付き合い、素敵に生きるために」は、松本清一先生の米寿を記念して、月経研究会連絡協議会:月研連(会長松本清一)のメンバーによって編集・執筆され松本先生の監修によって、2004年に文光堂(htt://bunkodo.com)から刊行されました。そこにいたる経過については松本先生が「-序文-」で以下のように記しています(この序文は2004年出版時に書かれたものです)。

-序 文-

1941年産婦人科医になって以来、63年にわたり月経に関する研究を続けてきました.その間多数のよき共同研究者に恵まれ、1962年には日本産科婦人科学会で宿題報告として「月経異常に関する研究」を発表した他、多くの成果を挙げることができました.

1987年頃自治医科大学看護短期大学で、月経をポジティブにとらえ、セルフケアしてゆくという考えに共鳴した方々が集まって「月経研究グループ(MSG)」がつくられ、ニュージーランドの「月経前体験」という本を輪読、翻訳して「月経のセルフケア」という題名で1992年に日本家族計画協会から出版しました.

それとともに同協会の思春期保健相談員のご協力を得て、27,106名の女性について全国的な調査を行い、1990年「月経に関する意識と行動の調査」を発表することができました.この報告が一つのきっかけとなって、心理学、看護学、栄養学、健康教育学、動物学など種々の領域で月経について強い関心を持っておられた研究者が集まって一緒に研究を進めようということになり、1991年4月に「月経研究会連絡協議会(月研連)」が結成されました.

以来毎年2回研究集会を持って、会員の研究発表や外部の方の特別講演を行うとともに、ことに「月経前症候群(PMS)」に関する共同研究を行い、1995年には種々分野での文献を渉猟した総説集「PMSの研究」(文光堂)を出版、1997~2000年にはPMSの正確な診断のために必要な、日誌的方法による症状の即時的記録法「PMSメモリー」を開発し、その「記録編」と「セルフケア編」を日本家族計画協会から出版するなどの成果を挙げてきました.

そして会員各自の研究もそれぞれ進み、その成果が見られてきたので、2003年頃からそれをまとめて「日本人のPMSの実態」という書名で発表しようという話が始まり、協議を重ねるうちに、PMSに限らず、広く月経を主題として、学際的な立場から考え、月経を女性の健康の象徴としてポジティブにとらえ、月経を女性の人生(自己実現)における主要な問題として、女性自身みずからが取り組む課題と考えることができるような、そして月経に悩む多くの女性に実際に役立つような本にしたいと考えられるようになりました.しかもそれを私が米寿を迎える記念として出版するという、私にとって誠に光栄な、有りがたい申し出になったのです. 本書はこのような意図により、「月研連」のすべての会員の御協力とたゆまざる絶大なご努力によって完成したものであり、本書が多くの女性の健康と幸福に役立つことを心から願っております.

終わりに、ご多忙中分担執筆の労を取って下さった各位、ことに編集にご苦労くださった出版準備委員会の皆様の絶大なご尽力に対し深甚な謝意を表しますとともに、私どもの企画に賛同して、その出版に多大なご協力、ご支援をいただいた文光堂浅井照夫専務および緻密な編集をしてくださった鈴木祥子氏ほか関係各位に対し、心から厚く御礼を申し挙げます.

2004年11月 ~米寿を迎えて~ 松本清一

(肩書き・ご所属は当時のもの)

 

 

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