15Dec
「PMSメモリー」は、日本で開発されたPMS症状を記録するためのツールです。
月経前に周期的に種々の症状が自覚される月経前症候群(PMS)の頻度は高く,しかもその症状の種類の多いことは知られています.また,記録方法としては,日誌記録的な即時的記録法(前向き記録)が症状の自覚と正確な診断に有意義であることが指摘されています.そこで,米国で開発されたユタPMSカレンダーⅡを参考にして,我が国における身体症状,精神症状,社会的症状を検討してその症状リストを添付し,しかも症状の頻度や程度が視覚的情報として明瞭に記録されるように工夫した,日誌的な記録による即時的記録法「PMSメモリー」を開発しました.加えて本記録では,基礎体温測定値,月経周期,経血量,体重,薬の服用などPMSの診断に必要な諸要件が同一紙面に記録できるように構成されており,診断者のための便宜のみならず記録者の簡便さもはかられています.本記録法による実践記録を検討してその有用性が認められたことから論文として発表しました(日本女性心身医学、5、31-37、2000)。その後、使用者のご意見を取り入れて、主症状が印刷済みになっているなどの改訂をした新版PMSメモリーを作成しました。PMSメモリーは一般社団日本家族計画協会(http://www.jfpa.or.jp/)で購入することができます。
文献
川瀬良美・森 和代・鈴木幸子・髙村寿子・石川瑞穂・松本清一 2000 月経前症状の即時的記録法の検討-PMSメモリーの開発-女性心身医学,5,31-37.