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月経研究会

アメリカのPMSの栄養療法の考え方

トピックス⑬ アメリカのPMSの栄養療法の考え方           淑徳大学  川瀬良美

PMSは,その治療法が確立していなことから、セルフケアの一つとして栄養療法が推奨されています。PMS患者のためのガイド ブック1)やセルフケアの本2) ~4)などで勧められているアメリカの栄養療法の考え方をご紹介します。
1.バランスの良くとれた食事を摂取するようにします。
2.脂肪、砂糖 、そして食塩の摂取を少なくし、 適量の蛋白質を摂取します。
3.食物繊維を多くし、精製した食材をやめて、全粒粉や複合糖質などを摂取します。
4. 血糖値を一定に保つため、絶食や欠食をしないこと。黄体期の異常な食欲の増加、甘いものへの渇望を防ぐために、3度の食事に加えて、2 回~3回の間食を摂取して、1日6回食とします。間食は玄米クッキーにするなど内容を考慮します。
5.カフェインとアルコ-ルを含んだ飲料は飲まないか、極力減量し ます。
6.症状の軽減にサプリメントを活用します。サプリメントとして、カルシウムとマグネシウムのサプリ メン卜が、身体症状と精神症状の軽減に効果があったそうです。また、ビタミンB6とビタミンEのサプリメントが、水分貯留や気分の変化などの精神症状に効果があったそうです。
7.月見草オイルは、γ-リノレン酸を補給する最も望ましい植物油として、乳房症状や水分貯留など、PMSの身体症状の軽減に効果があったそうです。
栄養を改善することで、PMS患者の 30%が助けられるといわれていますが、栄養療法がすべての女性のPMS症状に一致した効果をもたらしてはいません1)。サプリメントの過剰摂取も問題とされています。自分の食生活を見直し、PMS症状軽減のためのヒントにして下さい。

  • 文献
    1) American Society Reproductive Medicine:Premenstrual Syndrome (PMS) A Guide for Patients, 1997.
    2) Lark, S.: PMS Self help book, Celestial  Arts, Berkeley,  California, 1983.
    3)  Martorano,J., Morgan,M. & Fryer,W.:PMS The complete medical treatment plan, A Berkley Book/M.Evans and Company Inc. New York, 1994.
    4) Hahn,L. : PMS  Solving the puzzle, Chicago Spectrum Press, Evanston, Illinois, 1995.
  • 引用文献 川瀬良美 2004 Topics.13 アメリカのPMSの栄養療法 松本清一(監修)『月経らくらく講座-もっと上手に付き合い、素敵に生きるために-』東京,文光堂(http://www.bunkodo.co.jp/),p200、より
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